NEWセサミプラン
総合的な学習(探究)の時間に実地している本校独自の課題研究活動「NEWセサミプラン」
は久高生一人一人の未来を拓く力を養います。
学年ごとの課題研究や小論文講座を通じて、日本、世界が抱える問題や、進路希望に関したテーマについての知識を獲得します。論理的に思考できる力や、社会の一員として何を為すべきか自ら考え、課題を発見し、解決するために行動できる力を身につけます。
定義
生徒が生き生きとした学校生活を送り、未来を切り拓いていく力を養うための教育活動
具体的目標
(1) 自己の在り方生き方を考える
(進路意識、主体性、社会性)
(2) 学び方を学ぶ
(課題発見能力、課題解決能力、情報収集・活用能力)
(3) コミュニケーション能力を身につける
(話を傾聴し理解する力、自己の考えを表現し伝える力)
1年生 課題研究 ディベートを通して
1学期はディベートを行います。
課題についてまず文献調査・インターネット検索等で情報収集を行い、賛成派・反対派に分かれて討論を行います。
クラス内でディベートを行い、代表者を選出、2クラス対抗ディベート大会に臨みます。
2-3学期は、自分の興味・関心のある分野についてテーマを設定し、文献調査と考察をしてまとめ、クラスでプレゼンテーションを行います。
1年生課題研究 ディベート
2年生 課題研究 進路に関連する興味・関心のある内容
趣 旨
(1)1年間の課題研究活動の成果を発表することにより、学習の達成感や成就感を味わうとともに、調査研究に基づいて論文を作成・発表するという表現活動のプロセスを通して、自分の考えを明確にする。
(2)国際社会に生きる人間として、自分の考えを他者の前でわかりやすく堂々と主張する表現能力を養う。
(3)情報の伝達に有効な視聴覚機器を活用して発表を行うことにより、情報化時代に対応できる能力や技能を身につける。
(4)友人や先輩の発表を聞くことにより、発表内容、報告の仕方などについて学び、それらを自らの生活に生かす姿勢を養う。
(5)セサミプラン発表会の運営・企画を通して、物事に主体的に取り組む姿勢やリーダーシップを育成する。
平成30年度活動内容
○ 星野村での抹茶引き体験「日本茶ブームについて」
○ FBS(福岡放送)での実地調査
○ 課題研究発表会「SNSとテレビについて」
2年生課題研究発表会
Movie File
3年生 課題研究 進路に直結した内容
「自分らしく充実した人生を切り開く力」を養う 解決すべき課題=志望進路の実現
3年生はこの「セサミ」において、自己の在り方生き方について考えます。進路に応じて設定した「小論文講座」を実施し、知識や技能の深化、総合化を図ります。
小論文講座
平成30年度は、以下の8講座で行っています。
○法学 ○経済学 ○国際関係・人文・言語 ○教育・心理・スポーツ ○推薦・AO入試対策 ○環境・食物栄養 ○医療看護・福祉 ○理数
3年生小論文講座・進路志望別講座
期待される効果
自ら進んで調べたり、考えたり、表現したりする中で、生徒一人一人が人や物や自然と関わる喜びを味わうことができる。さらに、社会の一員であるという認識をもち、自分自身の個性を豊かに伸ばし、21世紀を逞しく生き抜いていく基盤を養うことができる。また、生徒会の文化委員を運営の中心に据えることにより、生徒会活動の活性化につながる。
■ 1学年
柔軟で論理的な思考力、豊かな表現力を身につけ、自分の生き方や進路について考えを深めることができる。
■ 2学年
自分の志望進路に応じたテーマを設定し、研究を行うことで、課題発見解決能力、情報収集活用能力、プレゼンテーション能力を身につけることができ、さらに自分の個性を発見し、進路についての認識を深めることができる。
■ 3学年
生徒が進路について真剣に考える機会を得ることにより、主体的な学び方や複眼的な物の見方が できるようになる。また、近年の知識・思考力・意欲・適性などが要求される小論文入試やAO入試にも対応できる。
具体的な効果
(1)進路意識の高まり
(2)コミュニケーション能力
(3)生徒会活動・部活動の活性化
(4)図書の貸し出しの増加、読書の幅の広がり
(5)教師の指導力
What's SESAME ?
HISTORY
学校・教師・生徒を変えた本校独自の取り組み「セサミプラン」
“量に頼る指導"からの脱却
九州の公立高校といえば、どこも1、2年生は「ゼロ時限」、3年生は「ゼロ時限」「7時限」は当たり前という熱心な補習指導で知られています。かつては比較的のんびりしていた本校でも、受験の激化、私立高校での特進コース設置、同学区内の公立高校新設などによって国公立大学進学者が減少し、時代が平成に入ったころから急速に“詰め込み競争"にさらされていきました。
努力の結果、7年度の国公立大学進学者は前年度の30人前後から100人台に回復しましたが、量に依存した指導体制への危機感がクローズアップされていきました。
セサミプラン(since 1995)
進学実績が充実
こうした中で本校独自の取り組みとして始まったセサミプランの本格実施につれて進学実績を下げることなく、生徒の実態に合ったレベルまで補習を減らすことができ、また成績によって安易に志望校を変えない生徒も増えていきました。
NEWセサミプラン(since 2000)
基礎学力の養成も目指す
「教科の基礎学力を養成することを目指すものであること」平成12年度より正規の教育課程に位置付けられた「NEWセサミプラン」の校内向け資料には、こう明記されています。
NEWセサミプランでは、第1学年を「トレーニング」、第2学年を「本格的課題研究」、第3学年を「進路に応じた課題研究」と、系統的な位置付けを行っています。
「量より質」の発想
進学校に関しては「総合的な学習の時間」が教科の補習にすり替わるのではないか」という懸念も広がり始める中、本校では学習の量を競うのでなく「学び方」を学ぶことで学問の本質に気付かせ、学力もアップさせようという“逆転の発想"で、「総合的な学習の時間」=「セサミプラン」に取り組んでいます。
現実に、セサミプランの導入とともに補習の量を減らしていったにもかかわらず、現役国公立大学合格者は約100人という高い水準を維持し続けています。また、数字には表れにくいですが、生徒一人一人の「自ら将来を切り開く生きる力」は、着実に身につけてくれていると確信します。
文部科学大臣表彰
目先の結果を追い求め、量と効率に頼る今までの教育のあり方に行き詰まりを感じ、本来あるべき教育のあり方に立ち戻ろうとして始めたのが本校のセサミプランです。主体性のない「学び」から得られるものなど、たかが知れています。生徒の可能性を信じて粘り強く援助に徹する指導が求められています。
こうした本校の取り組みは、各方面から大きな注目を得、平成23年度には
キャリア教育優良校として
文部科学大臣表彰を受けました。NEWセサミプランの内容は、現在も日々進化しているのです。
Results for the past 5 years